いま、思うこと

 戸川昌子さんの唄っている「金曜日の晩に」を作曲したのが、自分以外の歌手の為に
作った、初めての作品です。この歌、周りの人達はフランスの曲だと思っていたの。レコ
ードのジャケットに作曲者の名前を入れる段になって、初めて牧村旬子って知ったの。
後でその時のディレクターをなさっていた渋谷森久さん(越路吹雪さん、加山雄三さん達
のレコーディングディレクター)にお逢いした時に「あの曲は君が作ったと思わなかった
ので、何回もフランスに問い合わせたけど、分からなくて困ったよ・・・」って、「メロディが
華麗でスケールが大きい。これからドンドン書け」と言われて、う〜ん?
 なかにし礼さんは、ちょっと皮肉って?「君が作ったと思わなかったから、とても良い
曲だと思った」と、少し分からないコメントをくださいました。
 難しいかなと思う曲でも、唄える人なら唄えるか?と思いながら、自信を少し持ちなが
ら、作り始めたものです。
 また何人かの歌手の方から唄ってみたいと言われたので、渡してみたけど唄えなかっ
たり、合わなかったりとかで、なかなか上手くいかないことが分かってきたわけです。
 それから有名音楽出版社が作品を持って来いというので、持って行ったことがあるん
だけど、1曲聞く間に3回も4回も電話に立つの・・・。嫌になってやめちゃった。後で何回
か曲を持っていらっしゃいと言われたけど・・・それっきり。
 数え切れないほどのヒットを出している有名な作曲家が、自分のところへ曲持って来
い。自分の名前ならすぐ世に出せるからとも言われたこともあります。これ変よね。同じ
曲でもヒットメーカーの先生の名前だったら良い曲で売れるのって、作品より知名度(?)
それで他人の為の作曲にはあまり力を入れなくなって、自分が唄う自分の為の曲を作
ることにしました。

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